カガワリョウ×タカダワタル

年末年始は見たい音楽番組がたくさんあって大変だった
今、ようやくDVDレコに録り貯めたものをすべて消化するに至ったところ
たくさんの番組の中でも「黄金の洋楽ライブ『Bruce Springsteen』・『James Brown』」、
フォークの達人加川良』」が強く印象に残った
その中でも印象的だったのは「フォークの達人加川良』」で、見る前は
そこそこの興味しかなかったのに、今ではかなり繰り返し見ている中毒症状だ
加川良さんを初めて知ったのは『教訓Ⅰ』という曲で、フォークをまったく知らない
僕が初めて接したフォークソング
この歌のメッセージ性はもちろんのことだけど、その独特の言葉と言葉の間を伸ばすような
歌い方に何より目が醒めるような衝撃を受けた
しかし、そんな衝撃を受けたにも関わらず、その後、特に加川さんの曲に触れることも、
ましてやフォークに触れることもなく時は過ぎて行くばかりだった
そんな中、新聞のTV番組欄で「フォークの達人加川良』」という番組を見つける
最初は軽く録画しておこうという気持ちしかなかった
あ、『教訓Ⅰ』の加川良だ、録画しとこみたいなね
ところがどっこい再生して見てみると、みるみる加川良の世界に嵌って行く僕がいる
衝撃を受けた歌い方も健在どころか進化しているようで、昔に録音された「教訓Ⅰ」との
歌い方とは大分違っているような印象を持った
今は力強くも、囁きかけるような歌い方になっていると思う
そして、マイクに近づいたり、離れたりを激しく繰り返して歌っているので、
歌い始めと終わりが、綺麗にすぅーっと入ったり、
消えるように終わったりしているのが特徴的に感じた
そして、1曲目から汗が垂れるような熱唱する姿には心奪われるものがある
熱唱と言っても、絶叫してるわけでも、
いかにも一生懸命に歌っているというわけでもない
こっちが思わず息を呑んでしまいそうな、
そんな熱気を持って歌い懸ける姿が素晴らしい
そんな加川良さんに嵌ってしまった為か、
フォーク全般というか高田渡さんにとても興味が出てきた
きっかけは番組中で高田渡さんの『あきらめ節』、
『生活の柄』を加川良さんが歌っていて感動したのがきっかけ
特に、『生活の柄』はとても心に響きましたね
浮浪者が秋という環境になってから安らかに眠れなくなり、
安らかなる場所を求めては歩き続け、
見つけた場所で眠ろうとするのですが、
やはり眠れず新たな場所を求めては歩き続け疲れるといった内容の曲です
浮浪者の苦しい生活の一面を歌った曲ではありますが、
まったく関係のないこととは受け止めなかった
どことなく浮浪者が安らかなる場所を求め彷徨い歩く姿は、
混沌とした現代という時代を彷徨い歩く、
悩める現代人の姿に重なって見えると思うからです
昔の曲ですが未だに、今だからこそ通用するテーマを含んだ曲に思えるんですが、
どうでしょう?
まぁ、そんな訳で高田渡さんにも興味が出てきて、
色々な映像を見たり、曲を聴いたりしているところです
話がそれた、閑話休題
wikiなどを見て少し調べてみると、ポスト岡林を巡って一時は吉田拓郎さんと
フォークの人気を二分するような存在だったらしい
しかし、ストイックに自分の音楽性を追求し、お金にならない歌を歌っていったことで、
ポップな傾向に変化していった吉田拓郎さんほどの名声は得られなかったそうだ
改めて加川良という人を再評価する機運が巡ってくることを願うばかり
それがこの番組を見ての率直な感想